コーギーの性格

第一話

作業犬としてのDNA(遺伝子)を持つコーギー・ペンブロークは、咬むことが大好きで、吠えることも得意です。牛のかかとなどに咬みついて誘導していたので、彼らにとってはそれは当たり前の行為なのです。

吠えることもしかり。もちろんそんな作業をするには運動能力だって半端ではありません。それはまるで疲れを知らないのではというほどタフな個体もいます。現に私が最近ヨーロッパから輸入したオスのコーギーは日本産との違いに驚かされています。

彼は、これぞコーギーのDNAと言って間違いないほど原種に近い運動能力を持っていて、日本産のどちらかというとペット化して人間に合せてくれるコーギーたちとはあきらかな違いを見せています。お陰で、私の日頃の運動不足も彼との散歩ですっかり解消されました。

なぜならそれは散歩というよりも本当の意味での運動だったからです。強力なバネを持つ体の躍動が、リードを通して私の手首や指を直撃し、彼の動きを制御しようとして私の膝は悲鳴を上げました。いきなり脱線してしまいましたが本題に入ります。

ペンブローク・コーギーは自己主張が強く、時にはしつこいほどです。しかしそれは人間的に表現すると実に明るく陽気な感じの要求です。臆病さや攻撃性をみせるコーギーは、子犬の時にやはりよく観察をしてそのような個体を飼うのは避けるべきです。

しかしもしもそういう性格が後になってわかってしまったなら、どうするべきか。その場合は問題が生じる前にきちんとしたしつけをすることは絶対に必要となってきます。そうでなければ飼い主は一生そのコーギーのしもべとなってしまうかもしれません。

ということで、これからコーギーを飼う予定の方はくれぐれも、覚悟を持って飼ってほしいと思います。しかし本来の性格を持ったコーギーは明るく訓練も入りやすい犬種なので、ブリーダーに相談するなどしてそのような個体と出会うことを強くお勧めします。

第二話 

活発で好奇心旺盛な性格が、本来ペンブローク・コーギーがもって生まれた性格です。臆病さや攻撃性を見せるペンブローク・コーギーは、この犬種の典型的な個体ではありません。万が一このような性格を持つコーギーがオーナーの元に来てしまったら。

こういう場合繰り返しになりますが一刻も早くしつけをはじめなければ、飼い主は一生そのコーギーの奴隷となってしまう危険性があることを、理解しましょう。コーギーは賢い犬種なので、悪い意味で、上下関係をすぐに理解してしまいます。

飼い主のひるむ姿は、自分の方が地位が上であると思ってしまって、よけいにしつけがやりにくいことにもなりかねないので、コーギーを飼う場合はこういう点もよく考えてもらいたと思います。もともと活発な気質のコーギーは、しつけの面でてこずらせるこもあるかと思います。

しかしこれをドッグショーに展開させるとびっくりするくらい適合性をみせる個体も多くいます。コーギーの審査は、凶暴性やシャイな性格の個体を認めません。ですからこの逆すなわち、明るく活発な面を前面に出せるコーギーはまさにドッグショー向きであると言えるのです。

コーギーのハンドリンは、集中力を持続させるとともに、走り出してしまうくらいの元気さが必要です。確かな骨格構成と本来の性格を持ち合わせたペンブロークコーギーならば、きっとドッグショーにおいても好成績を残せるはずです。

脱線しましたが、たとえ実際にドッグショーに参加することが、なかったとしても、このような性格のコーギーなら、家庭犬としてもきっとオーナーが満足して飼育していくことを可能にしてくれるはずです。

ただし、ダイヤモンドも磨かなければただの石なので、繰り返しますが、くれぐれも愛するコーギーの下部になることなく、飼い主がきちんとしたリーダーシップをとれるようにしましょう。それがコーギー本来の明るい性格を生かしながら、彼らと楽しく生活する秘訣です。


第三話

上で述べた本来の性格から外れた性格を持つコーギーもいるというお話を、もう少しいたします。何回も述べますが、コーギーの性格は本来フレンドリーで人にも自分以外の犬にも友好的であることが理想です。

好奇心旺盛な個体が多く、それが性格にも現れて、人や他の犬ともすぐ仲良しになれるものです。もしコーギーを飼い始め成長過程を通して、ご自分の愛犬の性格がこのような感じであれば何の問題もありません。

しかしすべてのコーギーがそうであればいいのですが、中には非常に神経質であったり、ボス的気質が強すぎるあまり他犬に対し攻撃をしかけしてまうコーギーもいます。私の家で飼っているコーギー達の中にも、ちょっと手が付けられないくらい性格の強い子がいます。

その子が他のコーギーたちと一緒に遊ぶ時にはつねに目を光らせておかないといけない状態です。しかし、そんな子に限って、なぜか可愛いいものなのです。我が家の問題児は、我が家にはなくてはならない存在になっていますが、それも愛すべきコーギーの魅力なのかもしれません。

私はすべてのコーギーがまるでクローンのように個性のない決まりきった性格であるのも、つまらないと感じてしまいます。確かにおとなしく、飼い主の言うことをよく聞く子は飼育やしつけの面ですごく楽だとは思います。

それでも、他の犬にはやたら喧嘩っ早く、これはだめなことですが飼い主を下部と勘違いしている我が家の問題犬です。しかし彼女が、私のことを可愛いアーモンドアイの瞳でじっと見つめて、安心しきった表情を向けてくると、ついダメと叱れないでいる自分がいたりします。

この子なしでは生きられないなんてオーバーな気持ちになって我が子の虜になってしまうこともまた、ペンブローク・コーギー本来の魅力なのではとつい考えてしまうのです。但し行き過ぎた問題行動だけは飼い主の責任できちんと管理しなければなりません。

くれぐれも、コーギー本来の性格と、我が家のコーギーとの違いを把握して、他犬や人間とトラブルのないように管理しましょう。それがコーギーを愛してやなない私たち飼い主の責任だと思います。

そして皆様がもし縁あって飼い始めてたコーギーが、一般的なフレンドリーなコーギーでなかったとしても、それも個性と受け止めてしつけは大変かもしれませんが、たくさんの愛情をかけてやって下さい。大変さが大きいほどそれ以上の喜びを飼い主に与えてくれはずです。

第四話

次にお話することは性格というよりは、コーギーの身体的な特徴に関することだと思いますが・・・犬は嬉しい時には尻尾を振ります。嬉しいとき以外でも緊張している時、相手を威嚇している時なども嬉しい時とは微妙に違いますが、やはり尾を振っています。

このように尻尾は犬の気持ちを現すアイテムとしての役割を担っていると言えますが、コーギーペンブロークには尾がありません。その代わりによく見ると、嬉しい時などにお尻を振っているコーギーを目にすることがあります。

これもよく見ると、そういうコーギーには決まって、断尾した尾がかなり長く残っていたります。尾には神経があり、それが脳からの指令により動く訳ですが断尾を深くしていて、手で触れても尾骨を感じることのできない個体もいます。

このような個体は、立った姿は背線を損なわない美しい姿ではあるのですが悲しいかな尻尾の神経もなくしてしまって、お尻すら振ることはありません。前置きが長くなりましたが、犬は喜怒哀楽の情を伝えたい時には耳の先から尻尾の先まで、全身を使って気持ちを表します。

犬のさまざまな表情やしぐさは人間の言葉と同じで、言葉よりもいきいきと語りかけてくるものです。愛犬とすごせる時間を多くとることができるコーギーの飼い主ならば、たとえ気持ちを使える大事な道具の尻尾がないコーギーを飼っていても、大丈夫です。

かれらの表情や仕草から、コーギーたちの気持ちをくみ取ってやることはたやすいことだと思います。コーギーはよく無駄鳴きが多い犬種なんて理解している人がいますがそれは違います。コーギーは人間との触れ合いが大好きです。

そしてその声によって、時に音調を変えることにより甘えや怒り、寂しさなどの感情や心理状態を伝えているのです。これらの意味をきちんと知って、コーギーからの大切なメッセージをしっかり受け止めてやることも飼い主になるには必要なことだと思います。

このようなコーギーの本来の気質と構成等を理解した上で、家族の一員としてのコーギー・ペンブロークとの出会いを見つけてほしいと思います。

コーギーを飼おうと決めたら

コーギーが飼い主を選ぶとしたら、こんな人という話です。この点がマッチしていたらなら、コーギーも人間もストレスなく暮していけるはずです。。陽気で遊びが大好きなコーギーは、飼い主を決して退屈させません。

漠然と飼うのではなく、何か目的を持ち、犬との生活や遊びを積極的に楽しみたい人が向いています。それほど手のかかる犬種ではないので常に一緒に行動し、よく話しかけ、愛情を注ぐことでよさが磨かれていくのが、ペンブローク・コーギーです。

よって初めから犬と一緒に過ごせる時間と心のゆとりがあり、もっと言えば、ものごとに万事おおらかな人がコーギーの飼い主に最もふさわしいのではと思います。私の犬舎で、コーギーを求められるお客さまはさまざまな年齢層や職業、家族構成の方がいらっしゃいます。

それで飼育をお断りするというのでは、決してありませんがやはり生活に余裕のある方に、飼ってもらうのがベストだと考えています。過去にまだ幼稚園に通う2人のお子様がどうしても、コーギーが飼いたいといって、我が家から仔犬を求められました。

よく注意してお渡ししましたが、やはりお子様にまだまだ手がかかることは一目瞭然で、その後飼育するのが難しくなったと連絡が入りました。お子様のお友達がたくさん遊びにきて、ごはんを食べているところを後ろから足をひっぱり仔犬は驚いて手を噛んでしまったとのこと。

この話にはさすがに、あきれてしまい、こんな環境で飼い続けていたら人間も犬も不幸になると、新たなオーナーさまを見つける旨を相談しました。しかしいざ手放す段になると、2人のお子様が泣いて別れを嫌がり結局、初めからやり直すつもりで飼育をまた始められることになったのです。

その後はどうにか、子犬はお子様の成長と共に落ち付きを見せ始め今では大切な家族の一員となっています。犬と一緒に人間も勉強し、ともに成長してくことは可能であると私は考えるのですが、しかしできればコーギーの飼育に入る前にコーギーという犬種のことを正しく理解しているかをもう一度確認してみて下さい。

我が家に迎えたコーギーを一生幸せにするという自覚を持って、飼い始めてもらいたいと強く願います。

同じ両親犬から生まれた兄妹でも性格はそれぞれ違います。日々の暮らしの中で、飼い主は愛犬とたっぷりコミニュケーションを図って、賢いコーギーに育ててあげましょう
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