コーギーの老後対策
コーギーは他犬種に比べ長生きだと言われます。しかしいつかは訪れるコーギーの老後とその対策について、元気な時から勉強して、いざという時に慌てることなく対処できるようにしていきましょう。
第一話
コーギーは大型犬に比べると寿命は14~17歳と長いと言えます。しかし寿命が延びると、人間の認知症に似た、異常行動を示す犬の認知症が増えているのが現状です。その症状をあげてみると場所が分からなくなり、トイレの場所を間違えたりする。
昼夜が逆転して夜鳴きや夜間のうろつきがふえる。人や他の動物との関わり方が変わり、たとえば飼い主がわからなくなる。しつけにおいて、以前できていたことができなくなる。目的のない行動がふえて、いつまでも歩きづつけたりする。
などの症状が多くの個体に見られるようです。私の現在飼っている17歳になるメスのコーギーもこのような症状が全て現れています。高齢になると、意欲がなくなったり、不安から問題行動を起こすこともありますが、認知症は人間と同じで老化に伴う行動の変化とは別の、脳の病気です。
私は現在そんな愛犬の世話を頑張って続けていますが、認知症が進行すると飼い主さんの負担は大きくなります。コーギーはチワワやトイプーとは違いそれなりに体重もありますので、高齢のオーナーさんでは世話の負担は大きくなってしまいます。
手に負えなくなる前に是非獣医師に相談することをお勧めします。現在は、これも人と同じで病気の進行を遅らさせる薬や、サプリメント、処方食などもありますので、これらをう上手く使って、老犬になったコーギーたちとの生活も最後までみてあげてほしいと思います。
第二話
コーギーも7歳を過ぎてくると、毛色のフォーンの個体はより顔の部分の白さが増してきます。さらに10歳を過ぎると目の濁りに気が付くことがありますが、これはコーギーだけではなく全て犬種にある発症しうるものですが、人間と同じ白内障です。
しかし人間と違い手術で進行を止めて失明を防ぐことは犬においてはなかなか難しくて、現在は薬でその進行の速度を遅らせることが一番の治療法です。他には耳の老化もあります。牧畜犬の性質上、音には非常に敏感なコーギーですが老化が進むと、この自慢の耳の働きもおちてきます。
名前を呼んであげてもなかなか反応しなかったりするので、飼い主も愛犬の耳の機能が悪くなっていることに気づきます。また耳の老化にともなって、これも人間の老化とおなじく関節も弱くなりますます動きは鈍くなっていきます。
しかし嗅覚は体の老化をしていく犬の体の中で、一番機能がたもたれているところです。食べることが大好きなコーギーは高齢になってもおやつを飼い主さんからもらう楽しみは残ります。やり過ぎには気を付けなければいけませんが。
散歩にあまり出れなくなったストレスをスキンシップと共に少しだけおやつを増やしてあげることで、随分軽減できるのではと思います。その他には関節疾患、心疾患、腎臓の疾患、歯周疾患なども若いころに比べると、ぐんと羅患率も上がってきます。
飼い主の日ごろの身体チェックは欠かせなくなってきますので、くれぐれもそれをおろそかにしないであげてほしいと思います。
第三話
若い頃のコーギーは活発でいつも走り回っていたいという作業犬としての気質も持っています。しかし老齢になってくると横になっている時間も長くなってきます。飼い主さんは、そういう愛犬をそっと見守っているだけかもしれませんが、それが続くと、コーギーの体も心もますます年老いていってしまいます。
感覚機能の衰えを少しでも予防し、心の若さを保って、出来るだけ長く元気でいてもらうためには、ある程度の刺激を与えてあげた方がよいのではと思います。とくにコーギーの最大の能力であり、その機能が衰えにくい鼻から刺激を与えてあげるのがいいかもしれません。
たとえは、毎日決まった散歩コースを歩くのではなく、たまには違った道を歩いていつもと違うにおいをかがせる、いつものフードに少し別のフードを混ぜるなど、日常とは違った刺激を与えてみたりすることも、もともと好奇心旺盛なコーギーには良いことだと思います。
若い頃のコーギーは好奇心が旺盛で、飼い主が何も考えなくても自分からたくさんの刺激の中に飛び込んでいきますが、歳をとってくると、変化のない同じような毎日が楽で安心できるようになります。しかしそれではコーギーの頭も体もなまってしまうばかりです。
ですからそろそろ老化が始まるな、という時期が来たら、あえて生活の中に刺激を取入れることがコーギーたちの若さを保つ良い方法といえるでしょう。明日からでもお家のコーギーちゃんたちに是非実践してみては如何でしょうか。
第四話
繰り返しになりますが、老化は仕方ないとあきらめないで、牧畜犬のDNAを持つコーギーに合った老後対策をしてあげてほしいと思います。毎日が同じような生活では、刺激が少なく老化が進行してしまう恐れがあります。
毎日の散歩や生活に変化をつけるこをはコーギーたちに必要なことです。老犬だからおもちゃには興味ないと決めつけないで、新しい匂いのするおもちゃを与えて上げて下さい。若い頃の好奇心旺盛なコーギーのDNAはそんなわずかのことにでも、きっと飼い主が喜ぶような反応を見せてくれると思います。
またいつものお散歩コースを変えて、他の寄り道の場所を作り、あたらしい他の犬たちとの交流もきっと良い刺激になるに違いありません。散歩はコーギーにとっていろいろな意味があります。一つは体を動かすことで筋力をつけることができます。
またいろいろな匂いを嗅いだり他の犬と出会ったりすることで、脳に刺激を与えることができます。さらに日中出かけて太陽の光を浴びることは体内時計を正常に保つのにも役立ちます。家の周りをだらだらと歩きトイレを済ませたら終わり、そんな散歩で終わらせないように心がけてあげましょう。
また毎日のお手入れも若い頃以上に念入りにしてあげてほしいところです。コーギーは短毛なので長毛種ほどお手入れがしにくいわけではありませんが、それでも老犬が極度に嫌がったりしたら、それは何か体の異常があるかもしれません。
そこでそぐに獣医師に診断をしてもらうこともできますし、毎日の体のお手入れは老コーギーの健康チェックにもかかせないことなので、刺激を取り入れてあげるここと同じくらい、必ず毎日の日課にしてあげてほしものです。
第五話
コーギーも歳をとってくると、若い頃の運動量はだんだんと落ちてきます。以前ほど散歩を要求しなくなったり、散歩を喜ばなくなったりすることもあります。そのような時は散歩の時だけ与える特別なごほうびを用意し、出かけることが楽しみになるよう働きかけるのも方法です。
我が家の場合は、以前からドッグカフェが好きなので、都合よく歩いて20~30分ほどの所ににお店があるので、時々そこを目指してお散歩します。そして、飼い主と一緒にくつろぎ、お店が出してくれる犬用のおやつをもらえることがコーギーたちの最大の楽しみとなっています。
人間の言葉を理解しているのかはわかりませんが、カフェに行くよと言うと、散歩も生き生きとしているように見えます。散歩に行かなくなると、あっという間に筋肉も体力も落ちてしまいます。一度落ちてからで回復させるのは難しくなります。
散歩を続けて出来るだけ現在の筋力・体力を維持するようにこころがけることが大事です。体調や体力に合わせて、散歩の時間やコースなどを変える工夫もしてみて下さい。好奇心旺盛のコーギーの気質はこれだけでも随分と運動への意欲が違ってくるはずです。
散歩は五感を刺激して脳や体を活性化する絶好のチャンスです。外のいろいろな音やにおい、太陽の暖かさや風などを感じさせる機会を大切にして、コーギーたちが生き生きとできるように働きかけてあげてほしいと思います。
第六話
飼い主とのコミュニケーションが大好きなコーギー。子犬の時は飼い主が遊んであげることが多いですが高齢犬になって静かにしている時間が増えると、飼い主さんもついほっておくようになり、コーギーと飼い主さんとの関係は希薄になりがちです。
飼い主さんのほうから声をかけて、ふれあう時間を楽しむようにしてみましょう。人間が大好きなコーギーはきっと歳をとっても若い頃の半分でも、うれしそうに反応してくれるはずですから、愛犬の老化を少しでも遅らせるために頑張ってもらいたいと思います。
コーギーも年をとってくると、行動範囲が狭くなり、生活全体の質が低下しがちです。できるだけそれまでの生活のレベルを維持するように努力しましょう。被毛に白髪が混じってきた、毛づやが悪くなってきた、目やにが増えてきた、等々歳をとるに従ってコーギーの外見も少しづつ変化があらわれてきます。
しかし歳をとったときこそ外見に気を使ってあげてほしいものです。定期的にお手入れをして、若々しく清潔な体の維持を心掛けてあげましょう。コーギーは短毛種なので、あまり頻々にブラッシングの必要はありません。
しかしブラッシングは皮膚や被毛を清潔にして、血行を促進します。目やには、放っておくと目のトラブルをおこすことがありますし、見た目の印象もよくありません。特に毛色の薄いフォーンのコーギーは歳と共に顔全体が白っぽくなってきます。
目やにが出ると目やにやけをおこして色が染みついてしまうことがあるので、とくに気を付けてお手入れしてほしいと思います。お手入れはお湯でぬらしたコットンなどでやさしくぬぐってあげるだけで大丈夫です。
あまりきつくふきすぎると、嫌がりますしかえって刺激で目やにを増やしてしまうことがあります。爪の伸び過ぎにも注意しましょう。歳をとって運動量が減ると、若い時よりも爪が伸びやすくなります。
爪が長いと、肉球が地面につかないために、指や膝、腰などの関節に負担をかけやすくなります。また歩きづらくなってカーペットなどに爪をひっかけて思わぬケガをするこにもつながりますので、月に1~2回は切ってあげて下さい。
耳についてですが、コーギーは立耳の犬種ですから、耳が垂れている犬種よりも耳のトラブルは少ないようです。しかし歳をとって体全体の免疫力が落ちてくると、耳垢が以上にふえてきたりします。
それにより痒みがでて盛んに頭をふったり、耳を床にこすり付けたりして、その動作だけで、歳をとったコーギーの負担やストレスになりますので、耳のケアは耳を見て耳垢が多いと思ったらすぐにしてあげましょう。
この時も目やにのケアと同じでやさしくしてあげるのがこつです。ぐいぐいと耳あかを取ろうとティッシュや、綿棒を突っ込むを逆に耳の皮膚を傷め、痒みも余計に増したりしますので、動物病院などでイアーローションを手に入れて下さい。
それを少量コーギーの耳にたらし中を湿らしてから、やさしく耳あかを取ってあげて下さい。くれぐれもやりすぎないことがポイントです。
第七話
若い頃はお散歩が命で、外で走り回ったり、知らない匂いを嗅ぐのが大好きな好奇心旺盛で活動的なコーギーも、歳をとってくると足腰が弱ってくることもあって、静かに寝ていることが多くなりがちです。
そして飼い主もそんなコーギーについ過保護になりがちですが、犬が自分でできることはできるだけ自分でしてもらうために、筋トレや脳トレを行いましょう。高齢のコーギーにとっての目標はまず、出来るだけ認知症にさせないこと、出来るだけ寝たきりにさせないことです。
たとえばお手が出来る犬は多いと思いますが、ハイタッチを覚えさせるのもいいでしょう。うまくできておやつをごほうびにもらえたら、コーギーたちも大喜びです。また自分で立ってトイレに行ける場合は、足腰を鍛える筋トレを行い、自分でトイレができるように、おいでのコマンドで歩かせるようにしましょう。
このおいではゆっくりでもかまいませんが、歩かせるのが目的です。体が不自由でも頭がしっかりしてる場合は、出来るだけコミュニケーションをとって脳を使わせるようにしたいものです。コーギーは活動犬です。
体の動くうちは、どんどん知らない世界に飛び込んでいきたくなる犬種ですので、歳をとってもその性格を上手く利用して、ボケないようにしてあげたいものです。私の知人のコーギーオーナーは愛犬が、四肢の麻痺で動けなくなっても、その子にあった犬用車いすを使って、毎日の散歩を欠かしません。
外のいろいろな匂いや音を聞いてそのコーギーの表情はいつも生き生きと輝いていました。コーギーによっていろいろな老化のパターンがあると思いますが、飼い主さんの努力で最後までコーギーと幸せな日々を送ってもらいたいと願います。
第八話
筋トレ・脳トレのお話の続きになりますが、これをいつ始めるかということについては、早すぎることも遅すぎることもないのです。要するに早ければそれにこしたことはないですが、何歳から始めても遅くはありません。
ペンブローク・コーギーは今までに何度も言いましたが、本当に好奇心が旺盛で、飼い主との関わりを強く求めてくる犬種です。その分脳の機能も他の犬種と比べても、数段上ではないかと思えるほど、学習能力が高い犬種がコーギー・ペンブロークという犬種です。
なので、今まで何にも教えてこなくて、すっかり我が家の愛犬はずぼらな犬になってしまったなどど諦めることはありません。きっとコーギーである以上そのDNAは強く飼い主とのきずなを求め、飼い主が望むことなら、少々の難題でもきっとクリアしてくれるはずです。
ということで何歳になってもコーギーたちは飼い主と一緒に勉強することを諦めない犬なので、どんどん筋トレ、脳トレを日々のくらしに取り入れてあげて下さい。